2008/03/30

三面記事小説

三面記事小説
三面記事小説
posted with amazlet on 08.03.29
角田 光代
文芸春秋 (2007/09)
売り上げランキング: 82774

■角田光代
角田の光っちゃんはいずれミステリーを書きたいと思ってるのかなあ。なんかそれへの第一歩というか足がかり的な作品集のようにも読めた。

出版されたとき気になったけど「暗そうだなあ」と敬遠していたのを評判悪くないし読んでみたんだけれどやっぱり……どうしようもなく、暗かった。いや暗いというか……、黒いどろりとしたタールのような毒が読んでいるとじとり、じとり、じとりと胸の中に落ちてきて、これが広がり沁みこんじゃってはたまらんなあ、という気持ちになってだから一気にはとても読めなかった。

6つの、実際の新聞に載ったベタ記事。

その事件を元に、作家が想像と空想と広げて作った6つのフィクション。
表紙は排水溝と長い髪の毛がデザインされているが、まさに排水溝に溜まった長い黒髪のように不愉快で見た瞬間に嫌ぁな気持ちになってしまうような話ばかりである。

巧いとは思うけどね、だけどこういう話はやっぱり私はあんまりにもひどすぎて好きになれないなあ。ハナから倫理観が欠如しているような登場人物も少なくないし。理解とか共感とかしにくい話が多い。6つめの話はほとんど読めなかった、テーマ見ただけで逃げちゃった、重た過ぎるだろう。

転がり落ちていく、どうしてそこまで落ちるまで、――

考えても答えが出る問題ではないのだけれどもどうしても「どこで止まっていたらこうはならなかったのかなあ」などと考えてしまう。そして思わず心中深くため息をつく。
あくまでこれは「創作」だし枚数決まってるし「最初に事件ありき」で書かれているから、っていうのも絶対あると思う、ちょっと強引なまでの堕落があるから現実を引き合いに出すにはちょっと躊躇させるものがあるんだけれど結果が、現実にあるからなあ。

今日も新聞を開けば暗い、信じたくないような事件が載っている。
普通にオモテを歩くことすら怖くなってしまうような事件が続けて起こっている。

だから角田さん、せめて小説上だけでも夢を見させてよ。