2008/02/12

10ドルだって大金だ

10ドルだって大金だ (KAWADE MYSTERY)
ジャック・リッチー 藤村 裕美 白須 清美 谷崎 由依 好野 理恵
河出書房新社 (2006/10/13)
売り上げランキング: 101758

■ジャック・リッチー
これも気になりつつ頭がライトなミステリーから離れてしまっていたので保留にしていた作家さん、『ダイヤルAを回せ』にかなり興味をひきつけられたが順番としてはこちらが先だし、これも出版当時話題になってたし。というわけで。

最初の話を読んでみて、びっくり。もっとブラックなのかと予想していたのだが予想外に暖かいほのぼのを感じさせる作風なのね。続けて読んでいってその意を強くした。ユーモラスでコメディの風味も強くて、面白い。オチに意外性もあって、どんどん次の話を読みたくなる。うーん、これは良いなあ。もちろん「これはあんまり好きじゃないな」というのもいくつかあるんだけど、短篇集のいいところは長短入り混じって補完が利くところ。

本書には14のお話が収録されているが、中にはシリーズものも混じっている。なお、これより更に前の2005年に『クライム・マシン』という著作集が晶文社から出ていて、あの「このミス」海外部門第一位に輝いているのだそうだ。へえー。知らなかったわ。「このミス」買わないからなあ(^ ^;)。
強烈に強引に凄いというよりは、地味だけど良いものは良いんだよなあと再認識させるというか、そういうミステリ好きの根っこにほんわかとのっかってくるような味があるものね。

私が特に好きだなと思った作品は「世界の片隅で」「誰も教えてくれない」「殺人の環」。ヘンリー・ターンバックル・シリーズはどれも面白いけれど。なんか、クリスティとかあのへんの、ミステリーの典型をユーモラスにパロった感じがおかしくて、ファン心をくすぐるんだろうなあ。

それにしてもこの河出書房新社のKAWADE MYSTERYシリーズは装丁を和田誠が手掛けておられるんだけれどカバーイラストはもちろん、これをはがした本体のイラストが楽しい。まだ2作を見ただけなんだけど、明らかに本編の内容を踏まえてシンボルマークのフクロウ氏がいろいろ奮闘(?)しているところを描いてあるのだ。ホゥホゥ(すみません)。
ああ、他の作品のカバー下も見たいよう。これじゃあ河出書房新社の思う壺だー。