2007/10/07

銀座開化おもかげ草紙

■松井今朝子
……失敗した。
なにがって、読む順番をというか選択をというか。

松井さんの本はだーいぶ昔に『奴の小万と呼ばれた女』というのを読んだことがあるだけで、まあそれは別に悪くはなし、でもこの著者に惚れ込むとかいうんでもなかったのでそのままご縁がなかったわけであるが、このあいだ直木賞を取られたため最近書店ではどんどこ文庫が平積みになっているのが目に留まる、ここはいっちょ何か読んでみたいなと思っていた。
で、「文明開化」の時代が舞台ということで何気なく手に取った本書、元士族の久保田宗八郎というのが主人公の連作短篇集なのだが、読みつつも「なんっか中途半端だなあ」という感じで4篇まじめに読んだがどうも入り込めず、最後の話をナナメに流したところで解説を読んでみたらこれは3つのシリーズのうちの真ん中の話にあたる、ということが判明したんであった。
うわ、なんだそれ。
だから始まったときから以前のことを引き摺っていて、終わるところは次回へ続く~というぼかした感じになっていたのか。

――しかし文明開化の前っつったらオマエ、幕末じゃんかよ。ヲレ幕末モノは新○組にハマってたトキに読み散らかして今はもうなんかおなかいっぱい状態だからキョリおきたいんだよ。――

あたくしの現在の心境とは斯様なものであって、この前作にあたるという『幕末あどれさん』にあんまり食指が動かないんである。
ついでにいうならこれの続篇『果ての花火』は最近単行本が出たばっかりだから(高いから)これも買う気は今んとこ沸かない。

銀座開化事件帖
この『銀座開化おもかげ草紙』は『銀座開化事件帖』を改題したものだそうだ。
大垣藩主の若君という身分高なのにやたら腰が低くてでも己の意見は通しちゃいそうな慇懃無礼が素敵な敬語キャラ;戸田の若様と、ハタチそこそこで童顔だけれどもこの時代に十字屋というキリスト教の専門書店の主をやっちゃう度胸の持ち主で気が高ぶると御国訛りでタンカを切るツンデレキャラ;原胤昭というワキを固めるふたりが萌え萌え(バカですいません)。

でもなんで私にとってぶっちゃけあんまり面白くないかというと、主人公の設定が前作を元に立っているからそれを読んでいないとバックボーンがよくわからない、というのが大きいと思うんだすな。
あと、出てくる主要女性キャラがイマイチ魅力的に思えないというかステレオタイプすぎるっていうか。美人だったり可愛かったりキップがよかったりとか形容はしてあるんだけれど、新鮮味がなあ……。

なんか、時機をあらためて、前作から通して読み直したほうが良いようだ。うーむ。