2007/07/29

万寿子さんの庭

万寿子さんの庭
万寿子さんの庭
posted with amazlet on 07.07.28
黒野 伸一
小学館 (2007/03/30)
売り上げランキング: 131968

■黒野伸一
「本の雑誌」8月号の「上半期エンタメベストテン」9位。その座談会の中で「なんでもない話なんだよね」と語られていて、なんでもない話が好きなこともあり、書店で棚を見上げたらあっさり見つかったこともあって読んでみた。ハタチの女の子・京子と78歳のご婦人の友情モノというので面白そうだなというのもあった。

結果的には大枠はなるほどそのとおりだった。万寿子さんの茶目っ気あるカクシャクとした様子は素晴らしく痛快だし、京子の目のコンプレックスのこととか父親との確執、新人OLの戸惑いぶり、社内や近所のちょっと気になる男性とのエピソードもあって「なんでもない話」だけど読ませる。何より、万寿子さんと京子の関係が良いんだよね。徹底的に老人扱いを拒む万寿子さんのスッと伸びた背中が美しくて軽やかで、ああ、こう有りたいものだなあとしみじみ憧れてしまう。

でも何か京子の言動で中盤~後半にかけて引っかかる細かい点がいくつかあって、それが感動すべき最後の展開にも醒めた視線を送る原因となってしまった。小説の出来がどうこうという次元ではなくて性格とか考え方の問題だと思うし、感想いくつか見て回ったけれど気にならない方が多いみたいだから私が偏屈なんだろうなっ(^ ^;)。

読み終えて書店カバーを外すとハッとするほど表紙が鮮やかで綺麗だった。