2005/05/29

狐闇

4062750813狐闇
北森 鴻
講談社 2005-05

by G-Tools

■北森鴻
【1日目】
著者お得意の骨董世界モノ。旗師・冬狐堂シリーズ第2弾。「イヨッ、待ってましたあ!」という感じだ。

……にしても、――く、暗い。主人公いきなり冒頭で古物商の免状取り上げられた状態になってるし。裏のアラスジとか見てもなんかややこしそう。前作、おもしろかったってことだけは覚えてるんだけど、あれはどうだったっけ、などと思いつつ読み進んでいるが、泣きっ面に蜂に塩を擦り込む展開で少々気が滅入る。

あと、説明がちょっと不親切な構成で、冒頭部分の時点から少し前の段階に逆戻るとこらへんの説明に日にち等の記述がないため「これはいったいいつの時点か」やや戸惑う。「免状持って商売してるんだから、事前ってこと」とは判断できるのだが。

ちなみに冒頭の時点までハナシが進み、そこに至るいきさつが判明するのはなんと214頁。読んでいて、「ようやく繋がったか……」(^^;。

他シリーズで主役を張っている雅蘭堂の越名集治や、民俗学者の蓮丈那智も通りすがりではなくしっかりハナシに食い込む登場をして、北森作品を追いかけてきた読者には嬉しいサービスだ。

【2日目】
読了。面白かった。北森鴻のシリーズの中では冬狐堂シリーズが一番好きだな、と再確認した。

ま、ミステリーとしては「どこまでハナシ大きなんねん」という感じだったが。私はこのシリーズはミステリ要素がどうこうよりも、骨董世界の薀蓄が好きで読んでいるフシがあるので。

というわけで、ハナシが繋がった214頁からが俄然、面白くなる。それまでは「いかに陶子が陥れられたか」って内容なので、読んでいてツライってのもある。鏡作りの工房訪ねるくだりとかもかなり興味津々。
(にしても京都から奈良駅へ近鉄電車で来てそこからタクシーで明日香村まで行く、ってルートは地元民にはやや微妙。「金持ちやなあ?」って感じ。何故、そこまで来たなら八木とか橿原の方まで電車使わないんだろう。ま、いーんだけどさ)。


ある魔鏡を市で競り落としたことがきっかけで、陶子はまー、ややこしい立場にたたされ、これでもかと痛めつけられ、骨董業者の鑑札を剥奪されてしまう。でもそこで大人しく泣き寝入りする冬狐堂さんじゃない。

「何さらしてくれてんねん。こないなったらアンタもタダではおかへんで。とことんまで、やったろやないか」

とは言わないけれど(笑)、まあ関西弁で言うたらそういうことを決意します。で、その助太刀に那智先生たちが参戦してくる、というのだから面白くないハズがない!

ちょっとネタバレ?間白文字注意デス!
純粋にミステリーとしては私はあんまり納得できなかったんだけど、源義経がチンギスハンだった、とかいう有名な珍説がありますが、信じる信じないは別として、ああいうハナシが「好き」なひとには面白いんだと思う。

終盤、これでもかこれでもかの背負い投げがあるのもミステリ読みには嬉しい。