2005/05/19

火星年代記 [1998年に書いた感想メモ等]

火星年代記 (ハヤカワ文庫 NV 114)
レイ・ブラッドベリ
早川書房
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■レイ・ブラッドベリ
※1998年に書いた読書コメント
一応長編なのだけど、二十六篇のオムニバス短編で成り立っていて、そのひとつひとつが古典的、つまり古いんじゃなくて現代のSFの下敷きというか元祖になっているというようなスグレモノなのである。すごい。

読みながら、あっこれ、あの話のモトなんじゃないかな、と思うことが何度もあった。やるね。火星年代記は最も有名なブラッドベリの作品というので買ったんだけど、うーむ、これ読まずしてSFは語るべからずってかんじ。

火星についたけど火星人に相手にされず歓迎を強いる地球人の描写には「そか、歓迎されて当然て思ってたけどよく考えたら違うよね」と目から鱗の思いだったし、小説の世界の家を実際に作ってそこで復讐していく話なんかはこれ一編で江戸川乱歩的味わいがある。また人の想いによって姿を変え寄生していく火星人のアイデア、誰かの短編で読んだなあ。漫画でもあったし。

ブラッドベリの短編の中にはいくつか何度読んでも良い名作があるが、星新一氏が指摘してたように、ロマンチックというか叙情詩的な、少女漫画のような夢があるのがいいのだ。他の外国人のSFとは違って、ムードがあるのね。それにしても、これが書かれた頃はまだ宇宙にも火星にも夢と希望があったようで、今のほうが宇宙は遠い気がする。火星探索もされっちゃったしねえ……。

■2003.11.29再読
再読レイ・ブラッドベリ。どっちを読もうか迷ったすえ、『華氏451度』を百頁ほど読んで「暗いなあ」とマイナーになりそうなので乗り換え、『火星年代記』読書中。これは短篇を集めたような長篇です。SF好きじゃなくてもブラッドベリは好き、って人いると思うなあ。萩尾望都が好きな人は好きなんじゃないでしょうか。
昔は未来に希望があったんだなあという感じ。私がSFにはまっていたのは高校~大学時代で、最近SFにはめったに食指を動かしませんが、なんだか懐かしい感じで読みました。基本的にセンス・オブ・ワンダーの精神は好きです。

■2005.05.18再読
ポーの作品集をきっちり読んだ後に読んだわけで、更に面白い。パロっているところがあるのだ。火星に火星人がいる、という大前提のSF。初読のときはまだ夢があったが今はもうほとんどゼロのような……。