2005/03/24

警官嫌い

警官嫌い
エド・マクベイン
早川書房 2000


by G-Tools

■エド・マクベイン
名高い87分署シリーズの第1作ということでそれなりの期待はもって読み始めたのだが、いささか文章が古い。原書が1956年で、翻訳され文庫が発行されたのが1976年だから、仕方ないか。

とりあえずみんなが「暑い」「暑い」「暑い」といっている小説だった。
冒頭、ひとりの刑事が銃殺される。後ろから銃で頭を吹っ飛ばされる、というかなりショッキングな導入部だ。
すぐさま地道な捜査が始まる。だが、刑事殺しはそれだけにとどまらず……。
事件の展開もさりながら、瑣末な刑事同士のやりとり、街の描写などにも著者が力を注いでいたのであろうことが伺える構成だ。ミステリとしてのトリックがどうだとかいうんじゃなくて、(当時としては)いかにリアルに些細なことまで「ニューヨークの警察」の捜査方法を描いてあるか、というところが魅力のひとつだったのでは。また、シリーズの主役となっていく刑事をはじめ、いろいろな個性的な刑事たちのキャラクタもファンを作る要因となったのだろう。
それにしても警察の敵(?)というかウザい存在として他のシリーズなどでも必ず描かれるのがブンヤと呼ばれる新聞記者だが、この『警官嫌い』に出てくる新聞記者ほど馬鹿で思い込みが激しくて図々しく、職業倫理どころか一般常識にも欠けたヒドい輩はそうそういないだろう。なんせ、こいつがそのトンチキな首を突っ込んだおかげで大変な目にあう人が複数出てくるのだ。正直、読んでいて、犯人に対してよりも腹が立ったくらい(^^;。

読後、解説やハンドブックを読んでみると、シリーズも中盤になっていくともっと構成やストーリー展開に凝った「ミステリの醍醐味」を味わえる作品もあるようだ。うーん、それはそうとして、でも訳文が同じく古いのかなぁ、と思うとちょっと読むのに躊躇してしまったり(^^;。「生者必滅会者定離」だなんて思考描写にふつうに出てきたのでビックリしてしまったゼ。