2003/06/15

星を継ぐもの

星を継ぐもの
ジェイムズ・P・ホーガン
東京創元社 1980-05


by G-Tools

■ホーガン
「SFだけど本格ミステリである」ということで有名で、いろんな書評やミステリ関係の本で取り上げあられている作品です。で、興味をもって買ったものの、これはやっぱりSFで、しかも著者の特徴で「未来世界」のシステムなどの描写がすごく力を入れて書いてある。なんかでもどっか野暮ったくって。結果、2回チャレンジして両方70頁くらいで脱落して本棚に押し込んであったんでした。でも、なんで「本格」なのか、また、冒頭で示される「謎」そのものはかなり興味を惹くものであるのでその解答も知りたい、と気にはなっていたモノだったんですね。

さすがに3回目ということでSF独特のノリにも馴染んできました。100ページくらい以降は初めて読む領域でしたが比較的すんなり読めました。「おお、今回は最後まで読めるかな」と思っていたら読むことができました。謎解きとかそうゆうのも無事理解できました。はあ、すっきりすっきり。

最初に結論を言うとこれは「ミステリ」だと言われていて、まあそういう解釈もアリだとは思いますけどやっぱりこれは「SF」です。しかもかなり濃いSFで、著者のSF的思考のこだわりがビシバシ書いてあります。高校くらいのときSFを読んでいたのでまったく馴染みのない世界ではなかったけど、うーん、もうちょっとスマートに書いてくれたほうがよみやすいかな、と。最初に提示される謎というのは、まずこれは未来が舞台で既に人類は宇宙に進出してるんですけど、月である死体が発見されるんですね。しかしこの死体の身元を調べたところ「地球人」に該当者が存在しない。しかも死体を調べた結果、彼は”5万年前”の死体であることが解かったのです。5万年前に月に行くほどの文明が存在したという痕跡は地球上には無い。ということは彼は異性人ということになる。しかし、異なる星で進化を遂げた生物が全く同じ特徴を備えた生物となる可能性というのは生物学的に有り得ない。一体、彼は何者なのだ???――と、いう謎、それを解いていく過程をずっと書いてあるのが本書です。終盤の「結論」が出るまでの二転三転の描写はなかなか面白いです。正直、けっこうワクワクさせられました。夏休みなんかに読むにはピッタリかもしれません。