2003/06/13

銀の雨 堪忍旦那 為後勘八郎

銀の雨―堪忍旦那為後勘八郎
宇江佐 真理
幻冬舎 2001-08


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■宇江佐真理
素晴らしかった。初期のものとは思えない、ぐっと来るものがいくつもあった。同じ主要登場人物の連作短篇集なのですが。特に、勘八郎の娘、小夜が全編を通して書いてあるのだけれどこれが良かった。小夜ちゃん以外の話でも、「なんでこう人情の機微を描くのが巧いかなあ~」と思わず息を詰めて読み、読み終えて深く息をつき、なぞりなおした作品、目頭が熱くなった作品、すうっと胸のつかえが下りた作品など、秀作ぞろい。いい作品は本当にいい。ああ。唯一「これは蛇足というか作品の余韻ぶち壊しだな?」とガッカリしたのが著者の「文庫のためのあとがき」。しっとりしていた読後感がいきなりカッシャーン、と(笑)。まあ買いてあることが間違いだとは言わないけど、でもなんか無い方がよかったんじゃないかな?

それにしてもまた帯の文句の的外れには首を傾げてしまう。帯を見て買う・買わないを決めるのはいかがなものかと思います。それよりも最初の数ページを読んでみた方が確かでしょう。帯で面白いなと思うのはちくま文庫くらいでしょうか。あそこのはこだわりがあって、あれだけで作品になっているところがマル。