2003/05/16

新宿鮫

新宿鮫新宿鮫
大沢 在昌

光文社 1997-08
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■大沢在昌
これを読まずして大沢在昌は語れないだろうという『新宿鮫』を読み始める。今シリーズ6作目くらいまで出ているようです。和製ハードボイルドで有名ですね。いきなり日本の刑事がピンで活動しているのにはびっくりした。あと、すごいクールでハードボイルドな主人公の恋人がハタチそこそこの言葉遣いのなっていない若いロッカーの女の子、という設定には正直げんなり、という感じだ。なんかアンバランスだよ。これも男の夢ってヤツですか?しかしハナシそのものは割と面白い。

読了。
これは、ミステリーとして読んではいけない。エンタティメントとして割りきって読めば充分面白い。女にはシラけてしまう設定が多いが男性には受けるかもしれん。無駄なというかそういう描写もあって、例えば晶の歌詞の酷さであるとか(いくらこの小説が書かれたのが1990年であっても恥ずかしすぎる)、晶の形容がオヤジくさいだとか、晶の言葉遣いが汚いだけで反感を呼ぶだとか、――しかしこれはまあ、晶そのものが悪いってんじゃなくて。問題は「この主人公にナゼ、この相方なのだ大沢親分よ?」ということなんでした。あと、あまりにも「ご都合主義的な」展開が多すぎる、というのもある。1つか2つでいいのに、「おいおい、そこまでやるか」という。

先に欠点を並べてしまったが、とりあえず「日本の刑事が単独で行動している」不自然ささえ目をつぶって純粋に小説として読めば、スリリングでハードボイルドでかっこよいので楽しめる作品なんである。で、その「ナゼ単独で」かというのも途中で書かれていて、その件は1作目ではほとんど触れられていないので、今後、同シリーズでどのような展開をみせていくのかという興味がある。非常に壮大なモチーフだと思うので、これはちゃんと書かれたらすごいぞ。

ちなみに解説は北上次郎さん。それによると大沢親分はこの作品によって大化けしたそうで、それまでは不発だったとのこと。フーン。作品そのものについては全体的に誉めているが、私が言っているようなことをもう少しソフトに指摘していらっしゃる。同シリーズの4作目で直木賞だというから、どうなっているのか読んでみようか。しかし晶はずっと出てくるだろうしなあ。ウーム。。。