2003/03/03

東京下町殺人暮色

東京下町殺人暮色 (光文社文庫)
宮部 みゆき
光文社
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■宮部みゆき
凄いタイトルですなあ(笑)。しかしタイトルのおどろおどろ?のイメージとは違って、主人公が中学生の少年なんで、これが楽しくって可愛かった。刑事のお父さんを持つ息子の視点。宮部みゆきで少年、というとその現実ばなれしたまでの純情さとか可愛らしさが定評ですよね。これもそうで。読みながら、にこにこしてしまいました。これ、中学生だからできる行動だよな、とか。高校生だったらもう少し大人しくしてるよな、とか。家政婦のハナさんもいい感じで、北村薫の書く執事さんのようだ(イメージです、あくまで)。

事件としては、川からある身元不明の若い女性の死体が見つかるところから始まって、下町でうわさになっているある謎の家のことなどが絡んで進行していきます。とにかく、主人公とその親友との会話が和む。そして、その父とコンビを組む、若手刑事、速見さんがなにげにイイ!思わずファンになってしまった。背が高くて、気がやさしくて、子どもが好きで、どうやらお菓子作りが上手らしい。笑顔がかわいいようだ。あ~、なんか好きだあ(変態)。

もちろん殺人事件なので、ほのぼのばかりもしていられず、特に後半、事件の原因とかそれにまつわるいろんな人が出てくると思わず顔を顰めたくなるような内容もあった。でも、こういうふうにほっこりできて、しんみりできて、なおかつミステリとしての面白さも味わえる、っていうのは、「さすが、宮部みゆき!」と思わずにはいられない。