2003/03/27

空飛ぶ馬/夜の蝉  【再読】

夜の蝉 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
北村 薫
東京創元社
売り上げランキング: 42984

■北村薫
北村薫の最初の短篇集が読みたくなって本棚から引っ張り出しました。というわけで『空飛ぶ馬』再読中。ううう、巧い!ちなみにこれを読んだのはまだ学生の頃でした。挟んであったしおりにワタシのメモで「卒論ハンドブック」とかそういう持っていくべきものを書いてある。。。そうかそういう時期に読んだのか。。。
        
▼再読読了。
しっかし、いや、もう、天才ですね、読んでいて叫びたくなるほど、ため息がでるほど、涙ぐみそうになるほど、……巧いっっっ!!文章が。展開が。天才!!――話そのものは、やはり昔読んだことがあるので覚えているんですよ、ある程度は(忘れているのももちろん結構あって我ながらお得な脳みそだなと思った)。――でも、そうやってストーリーに意識を回さないでいいぶん、余計、言葉のひとつひとつが身にしみて。ああ~、再読してなお、何も色あせない、それどころか新たな感動が味わえるなんて。。。やっぱり、北村薫ってすごい作家だなあ。それを同時代に読めるワタシってなんてラッキーなんだろう。としみじみ、幸福をかみしめたんでありました。

▼まあそんなわけで帰り地元本屋に立ち寄ったとき、このあいだは高いから、と文庫落ちを待つことにしていたあの新作を購入することにしました。かなり、本棚の前で迷ったんですけど。。。でも、やっぱり、北村先生はそんな多作じゃないし、エッセイとかが最近は多いし、それが長篇を読めるんだ、その貴重なことを2千円弱の価格でフイにしていいのか自分!とか思いまして(自分への言い訳ともいう)。大切に読みたいと思います。。。

▼しかしまだもう少し「私」と「円紫師匠」との世界にひたりたくて、第2作『夜の蝉』(北村薫)をやはり再読、読了。第1作とはなにか雰囲気が違う、というのは前回読んだときも漠然と思ったものですが、今回も感じて、やはりそれは「私」の内面のいろんな襞が書かれていたり、あと、こちらは恋愛絡みのストーリーが集められている、というのがあるんでしょうか。。。『空飛ぶ馬』がさわやかな青春の春風なら、『夜の蝉』はしっとりした秋の夕暮れ、という感じ(ああ、我ながらなんて陳腐な例えしかできないのか。北村先生の爪の垢を煎じて飲みたい)。