2003/02/28

街の灯

街の灯街の灯
北村 薫

文藝春秋 2003-01
売り上げランキング : 272321

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

■北村薫
文藝春秋Honkaku Mystery Masters
あっというまに読了してしまいました!だって面白いし、読む時間も気力もあるのに途中でおいておくなんて、できんもん。いや、どーしても、ってんなら我慢しますけどサ、そこまで自分を束縛しなくたってよかろう?とか思って(自分に言い訳してるなあ)。

とりあえずでも買った最初の日は表紙眺めてカバー外して中の表紙見たり、奥付みたりしてまず買った喜びを堪能して読むの我慢してたんですよ。新婚の新妻をいきなり抱き締めない新郎の気持ちでしょうか(ってどんな例えだ(^^;)。装丁が京極夏彦さまですって。昔とったなんとか、というヤツでしょうか。で、今日いよいよ読みまして――。おもしろかったです。どうやらこれは続きものになるようです。次回に持ち越された台詞の謎掛けとかありますし、楽しみですv

時代が昭和の初期で、主人公が学習院女子学部に通う15歳前後のお嬢さま。この好奇心旺盛で頭の回転が速い英子嬢の出会う謎や事件が書いてあるのが本書です。――おかげで、登場人物たちのお言葉遣いのあまりのお上品さに、日本語の美しさを堪能してしまう。私の頭の中は"おぜうさまごっこ状態"。でも、「凄い」にまで「お」が付くんですね。「お凄いっ」とかいう台詞があるんです。うーむ。短篇3つが収録されていますが、私は最初の「虚栄の市」が一番好みでした。江戸川乱歩に関する記述があるのも嬉しい。

ところで、参考文献のところに榊原喜佐子さんの『徳川慶喜家の子ども部屋』があったのが、嬉しかったというかやはり、と膝をうったというか。これは去年だったか一昨年だったか文庫になったんですけど私も読んで、やはり『街の灯』と同様の古きよき日本の奥ゆかしさにほのぼのしてしまったご本だったんですね。季節季節のお祝い事、日々の生活、下々の者にはまるで夢のような贅沢さがごく当たり前のこととしてある世界。それが、嫌味にならない、そういう書き方だったのです。北村先生のも、榊原さんのも。

それにしても、やはり北村薫の『空飛ぶ馬』は少なくとも私にとっては特別の作品なんだな、と『街の灯』を読んで再認識してしまいました。後者が劣る、というわけでは決してありません。