2003/01/10

春風ぞ吹く―代書屋五郎太参る

春風ぞ吹く―代書屋五郎太参る春風ぞ吹く―代書屋五郎太参る
宇江佐 真理

新潮社 2003-09
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■宇江佐真理
連作短篇集。同じ主人公の周りで起こる日々のちょっとした出来事が綴られている。代書のアルバイトをしつつ学問吟味合格、御番入りを目指し学問所通う五郎太。幼馴染みの紀乃と祝言を上げるにはまずそれが先決なのだ。はてさて、という通しテーマがあるがこれは雰囲気的に最終的には大団円になりそうです。

読了。最後の短篇がどうも少々浮いている気がしたのは私だけか。いきなり実在の人物が出てきたりするし、ハナシの雰囲気も他となんか違う。紀乃の例の行動はちょっと説得力が弱いのではとも思うしなあ。内記の初遊郭の顛末もほのめかしが多いわりにそれを踏まえたオチというのがないまま終わって拍子抜け。まあ全体としては、のほほんとした雰囲気だし何より主人公に好感が持てる作品なのですが、読み終わって少々首を傾げてしまったのも事実。
それにしても文庫版あとがきによればこの話、最初は失敗のまま終わって「試験だけがすべてじゃないさ」というまとめの予定だったらしい。フーン。ちょっと意外だなあ、それだったら紀乃とのこととかすっきりしないような気も。ああでも全部合格ってのもありがちすぎなのか……。なんにせよ、この文庫の解説のタイトルで最後「汚名返上」することはいきなりネタバレしてるんですよね(笑)。しかも内容が要するに「アラスジ」。どんな人かと思ったら東京大学の国際関係史の先生だった。どういうご縁なんでしょうね?