2003/01/08

慟哭

慟哭
貫井 徳郎
東京創元社 1999-03


by G-Tools

■貫井徳郎
これは一番良いのは「真っ白」な状態でお読みになることだと思います。これから読まれる方は、
①文庫裏のアラスジを先に読まない。
②解説を先に読まない。
③その他、内容を察する恐れのあるものはいっさい読まない。
ということをお薦めいたします。

しかしさわりの部分は言っても差し支えあるまいと思われますので書きます。
まず構成としては、警察の人間の視点で三人称で書かれる章と、ある一人の人物が新興宗教に傾倒していく過程を一人称で書いていく章が交互にきます。終盤そのへんがどうリンクしていくのかが1つの楽しみですよね。
警察が追っている事件は幼女が行方不明になっている(そして犯人からの声明がない)というものです。警察内部の人間模様、キャリア組とノンキャリア組との確執なども描かれて、なかなか面白いです。
また、新興宗教にのめっていく過程、いくつかの描かれる教団(勿論架空の団体です)の様子なんかも、最初その人物が割と冷静な視点であるのでおもしろく読めるのでは。

――で、これはネタバレになりますので(★から★まで)白字で書きます。これから読むと言う方は絶対読まないで下さい。いいですね?
白紙で読みたい人は読んじゃいけません。
まあ、私もそこまで心臓強くないのである程度はボカしてありますけど、カンの良い方には判ってしまうと思いますので。
よろしいですね?
「いったい何がそんなに驚くんだ」と云いますと要するにこれは「壮大な○○トリッ
ク」と云いますか、「ケーキと思って食べていたら実は羊羹だった、ということが最
後の最後で判って、うあああ、となる小説」なのです。これには犯人が誰だとかそん
なのは霞んでしまいます。
それにつけても最初から描かれる手順や語り口やテーマがすごく○○○を思わせるだ
けに、最後で○○だと判ったときの衝撃や如何に……という。
はあ。
とりあえず茫然としてしまいました……。

ちなみに北村薫先生の帯の推薦文

題(タイトル)は『慟哭』
書き振りは《練達》
読み終えてみれば《仰天》


――これで全てを語っていると思います。ほんっと、素晴らしいコピーですね……。