2002/10/01

溺レる

溺レる
川上 弘美
文芸春秋 2002-09


by G-Tools

■川上弘美
アットランダムに読んだのですけど、どれも「男と女」の「アイヨクにオボレ」る奇妙な世界が書いてあります。……愛欲っていうと書く人によっちゃあ、ポルノになる題材だと思うんですけど、川上弘美なもんで、そうはならなくって、でもあっさり無機質ってんでもなくって。。。なんて言ったらいいんだろう、この感じ。
冒頭の1行をいくつか、抜き書きしてみますね。

  うまい蝦蛄食いにいきましょうとメザキさんに言われて、ついていった。――『さやさや』
  少し前から、逃げている。――『溺レる』
  「大きな、七面鳥が、胸の上に乗っかってきた記憶がね」――『七面鳥が』
  死んでからもうずいぶんになる。――『百年』

……どうです、この冒頭からくぃっ、と入り込んでくるヘンな、独特な、川上ワールド。私は漱石の『夢十夜』を思い出してしまったんですけど……そういえばこの前『センセイの鞄』のときも漱石思い出したんですよね。似てるのかしら、何かが?よくわかりませんけど(^^;。