2002/10/24

阿房列車

阿房列車―内田百けん集成〈1〉 ちくま文庫
内田 百けん
筑摩書房 2002-10


by G-Tools
■内田百閒
『阿房』はアボウという地名とかそーゆーのじゃなく、そのまんまあの、悪口とかで言うアレです。吉本の芸人でお馴染み○○のサカタの、です。まあ鉄っちゃんには珍しいことでもないんですけど要するに用も無いのに「列車に乗って旅する」ためだけに、あちこち行ってくる、そういう紀行文。おまけに旅費は借金して、である。このへんは、他の百閒先生(この「閒」という字、ちゃんと表示されていますか?門構えに月です。ご覧になっている環境によっては化けている可能性ありますね)の普段のありようを随筆などで読んでいるとそう驚くべきことでもないんですけど……、どうもこの人の「借金する」という感覚は、私なんかとは全然違うみたいです。悲壮感ゼロ。堂々としてるっつーかマイペースというか。なんか、「生活のための借金より、こういう遊びのための借金は健全である」みたいな趣旨の発言もどっかでありました。はー。(笑)。

同行人は「ヒマラヤ山系」なる徒名を頂戴している国鉄勤務の若者ですが、待ち合わせ場所でぼーっとしている彼を見つけていきなり手にしたステッキでアタマを叩いたりしていますこの先生(^^;。勿論本気で殴ってるわけではアリマセンが(笑)。読んでいて思わず「アンタ、何してんねんな!」とかツッコミたくなる、まことにヘンチクリンで飄々としたオジサンだと思います。おかしいです。笑えます。このヒマラヤ山系さんもかなりマイペースですしね。内田百閒って血液型はかなりの確率でB型だと思います(^^;。ちょっと理解しにくい行動だけど見ているのは楽しい、という……。 
旅はまだ汽車と電車が並行して使われていた時代、上野を朝9時半に出て盛岡着が夜の7時半過ぎ、ということである。うへぇ、今じゃ考えられないなあ~。

鉄道とかそーゆうのに殆ど無関心の人間(=私)に果たしてこれは面白いのかしらん、という読む前の危惧は杞憂でありました。なんともいえずおかしくってともすればニヤけそうになりつつ読んでいます。百閒先生のキャラクターって……ほんと最高。女中さんとの何気ない会話とかが既に変(^^;。ってゆーか、ワザとやってますね先生?からかって遊んでいらっしゃるでしょう~(^^;。全部の旅にお供仕るナゾののほほんマイペース青年=ヒマラヤ山系氏も面白すぎる。名ならぬ迷コンビだね、まさしく。