2002/09/24

沙羅は和子の名を呼ぶ

沙羅は和子の名を呼ぶ
加納 朋子
集英社 2002-09


by G-Tools

■加納朋子
短編集。思ったより面白い。以前加納さんのをまとめて数冊読んだときになんとなく感じたササクレのようなものが無いような。どれも雰囲気が違うけど、それぞれ良いのだ。

これは「さらはわこのなをよぶ」と読みます。「さらはかずこの」じゃないのがポイントですね。この独特のリズムというか音を持たせるのが特徴なんでしょう。意識に残りますよね。この短篇の冒頭部分にある「わこ。わーこ。わこちゃん。わーこちゃん」という繰り返しも、オヤという感じ。唄のようだな、と思いましたが解説を読んでなるほどなと。ある種呪文の役目なんですね。マザー・グースを利用したクリスティの手法の日本版、という気もします。
この短篇集はよかった。
今まで読んだ加納朋子著作(既読4冊だけですが)のなかで最良。なんていうか、今まで加納さんの著作を読んでいて「このひと私好みの作風だし、道具立ても雰囲気も悪くないんだけど、なんっかイマ一歩足らないというか……」と思っていたそのイマ一歩を踏み越えて3歩くらい進んだのが本書、というか。「フリージング・サマー」が個人的に一番好き。
これが私既読のなかの最新作ではナイ、というところがちと残念ですが……(笑)。