2002/07/24

どすこい(安)

どすこい(安)
京極 夏彦
集英社 2002-07


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■京極夏彦
京極夏彦の初?ギャグ系単行本『どすこい(仮)』がノベルスになった。タイトルは『どすこい(安)』。
タイトルが違うから中身も多少変えたのだろうかと思うけど、まー、京極先生の場合ノベルスから文庫でも加筆訂正はアタリマエだし気にしていると全作品全媒体買わなくちゃいけないので気にせず買う。
まず表紙を開いて各短篇のタイトルを見ただけで楽しめた。「四十七人の力士」「パラサイト・デブ」「すべてがデブになる」「土俵(リング)・でぶせん」「脂鬼」「理油(意味不明)」「ウロボロスの基礎代謝」……。わははは、バカー(笑)。内容が力士ネタだというのは単行本発売時から知っていたけど、ほんとにそれだけなのね。しかもそれぞれの短篇毎に微妙に筆名が違うのが更に笑える。京極夏場所って誰よ……(笑)。

基本的にタイトル以外はパロってないということだけれど、やっぱりオリジナルを知っているモノの方がおもしろかろう、ということで「すべてがデブになる」(←このタイトル、嫌すぎ( ̄□ ̄;))を最初に読んだのだけど、うーん。微妙に原作とリンクした笑いがあるぞ、密室だとか抜け出せないとか。文体とかも、微妙にパロってるぞ?――というわけで、この本はやっぱり原作を読んだ上で読まないとおもしろさ半減だろうと判断。そうなると、みんな有名作だからタイトルは知っていても既読はあと「死鬼」だけなのであった。というわけでそれを読む。ちなみに「すべてが」の方は電車の中で読んだのだけど、特に笑うとかもしなくて、我慢もいりませんでした。基本的にすべてお笑い精神で書かれているということは伝わってきますし、そこは京極夏彦ですから小説としてのレベルも高いのですけど、「お笑い」という面で捉えると、それはもう見事にスベりまくっているのでありまして、一番面白いのがタイトルという有様。話自体は展開は読めるしなんだかドタドタやってるけで何がおもろいねん、というヤツで。あ、手紙の冒頭はおもしろかったけどな~。森先生テイストがちょっと感じられましたからね。他にも部分的に光る描写はあって「おお」と思うのだけど、笑うほどじゃないのだ。それって致命的ですよね。
そんなわけで家で読んだ「脂鬼」も期待していなかった。基本的に「脂鬼」は大阪のボケとツッコミをしつこく書いて笑いを取ろうとしているらしかったが、そんなもん毎週吉本新喜劇見てる人間からしたら甘いしサブいしノリ悪いしダメ出し連発もので、「こんなん読んで大阪の漫才や思われたらムカつくわ~」というレベル。はっきり言ってかなりシラけまくって読んでいたところに、ツボがいきなりきた。ぶはははは!!爆笑してしまったのだ。それは藤子不二雄の怪物君ネタだった。あまり詳しく書くとこれから読む人の迷惑になるのでやめておくが、京極夏彦と怪物君という組み合わせはかなりおもろいと思った。本を読んでこんだけ笑ったのは久々だ。うーむ。ちなみにこの話も全体としてはそう面白くなかったことを付け加えておこう。残りのは原作を知らないし、知っていてすらこの状態なので期待できんなあ。やはり高い単行本で買わないで正解だった。しかしノベルスでも1,100円なので高いとも言える。文庫まで待つのもあほらしいと思うので興味がある方は図書館などで借りられることをお薦めしたい。

結論。やはり京極夏彦には京極堂か榎木津礼次郎を書いてもらいたいものだ!!ってゆーか書いてください京極夏彦様!!(熱望)。