2002/07/24

深川恋物語

深川恋物語
宇江佐 真理
集英社 2002-07


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■宇江佐真理
この人のは安心して買える、宇江佐真理『深川恋物語』を読書中。短編集。全部独立しているようだ。やはり、うまい。この落ち着いた雰囲気、人情の描き方、しっとりしんみり味わえる。どうやら恋愛感情を扱った作品を集めてあるようだが、ラブラブとかを描くんじゃなく、片思いと葛藤とか、ふられた後の想いとか、そういう耐える系の感情中心の話になるのかな。現代モノでこーゆうテーマを書いたらまた全然違うんだろうけど、舞台が江戸で人々の人情とか市井の暮らしとか身分社会がそれに絡まりあって、実にいい感じなのである。

宇江佐さんは描写がもう抜群なのだが、今回はそれに加えて話の展開に予想外のどんでんがえしがあったり、見事な伏線があったりで、ページを繰るのがもどかしいくらいだった。阿刀田高さんの解説を読んで、はー、そうかそうかと納得する。これからの宇江佐さんの作品はもう鬼に金棒ってとこですかね。