2002/05/25

事故係 生稲昇太の多感

事故係 生稲昇太の多感
首藤 瓜於
講談社 2002-03


by G-Tools

■首藤瓜於
……電車の中で「ちょっとだけ」と思っていたのにあっというまに引き込まれてズンズン読み、帰ってからもずっと読み、あっというまに読了。うまい。特に大きな事件があるとか、すごい謎があるとかいうんじゃないのに、読ませる。これは、まだ新人の巡査が主人公の「警察小説」だ。その、ほんとうに日常起こるであろう、小さな事件、町の事件を描いてある。おもしろい。主人公の、若者らしい、血気盛んな視点が新鮮だし、心にぐっとくる。うまいなあ~。帯の文句もいい。「正義は負ける、こともある。」――そう、生稲巡査のように純粋に正義感だけでぶつかっていっても「現実」に阻まれることって、あるんだろう。そのへんの描き方がわざとらしくなくって、いいのである。