2002/05/01

東京アンダーワールド

東京アンダーワールド
ロバート ホワイティング Robert Whiting 松井 みどり
角川書店 2002-04


by G-Tools

■ロバート・ホワイティング
やっぱ難しい。これって出たとき、「村上春樹の『アンダーグラウンド』のぱくりみたいなタイトルやなあ」と思った覚えがあるのですが、訳者あとがきを読んで、脱帽。私が中学くらいんときにベストセラーになっていた『和をもって日本となす』の著者にして、『菊とバット』の著者だと書いてあるではあ~りませんか!!共に読んだことこそないけれど、名著と名高い。「これは、……」と襟を正して読み進んでいく。
これは小説ではなく、東京六本木周辺を生きたあるアメリカ人を中心に、戦後占領下に置かれた日本にアメリカがどのような影響を与えたか、あるいは「日本人」はどのように生活していったかを描いたルポである。しかも教科書で習うような一般市民の苦しい生活、というのとはちょっと違って、いわゆる闇の世界(テキヤ、ヤクザなど)からそれに絡んでくる政界や占領軍のことを中心に描いてある。力道山は何故、戦後の日本であのような英雄となったか、だとか、いまだになくならない賄賂だらけの日本の仕組みだとか、そういうのが「ふむふむふむ」と解かる。最初の50ページぐらいはちょっと読みづらかったけれど、それを越えると次から次へと展開する「事実」の羅列にページを繰る手を止められなくなる(と言いつつ、金曜の夜は途中で伏せて眠りましたが(^^;。読了は土曜朝)。
まあよくこれだけ調べたもんだ、と感服し、「執筆ノート」や巻末の「参考文献」に舌を巻く。また、ルポだと書いたけれども、最近の小説には「ヤクザ」絡みのものが本当に多いが、この著書を読んでいると「事実は小説より奇なり」という格言を思い出してしまうほど、手に汗握るものがある。
まあ、なんていうか。「東京」ってバケモンだなあ~、と思ってしまった1冊であった。いま、東京には外国人が実に多く暮らしているというけれど、いまの東京ってどうなのかな?