2002/04/07

霧越邸殺人事件

霧越邸殺人事件 (新潮文庫)
綾辻 行人
新潮社
売り上げランキング: 94780

■綾辻行人
【1日目】
綾辻さんで「館」モノ。しかも口絵に屋敷の見取り図付き。も~、バリバリの本格、ですね。
と思って読んでいるんですけど、ウーム、これは、本格だけどその肉付けがなんかファンタジーとゆーか奇譚っぽいとゆーか。奥さんの影響か?……つまり、「館」そのものに「チカラ」があるとゆーような描写が多いんです。あと、登場人物の名前が変に凝っていて、実際事件に「名前」が深く関わっているとか、暗示があるだとか……なんだか、超自然的というか、非科学的な要素が濃く描かれている。フーン。……それと「本格」をどう料理されるのか、読みどころであろう。あと、芸術論というか演劇論や、文学論みたいなのもやたら丁寧に薀蓄が書かれているのはどこか京極夏彦の妖怪談義が延々続くあの作風を思い出させるけれど、京極さんのはそれで「ある種の世界」に読者を嵌め込んでいく手法なのに対し、綾辻さんのは特にそれでどう、といったこともない。なんなんだろうな……?
とりあえずまだ途中の段階で犯人にしか言えないことをある人物が発言していた。あんまりそーゆうのに気付かない、鈍いワタシでも気付くほど「そのまんま」書いてあるので目を疑ってそこを二度読みしてしまった。間違いない。犯人はコイツだ。……ということは後読んでいく興味のポイントはこの「霧越邸」のご丁寧な奇妙な描写との絡みがどーゆう意味か、ってことだけですな。うーん。(ちなみにこの日記を書いているのは6日朝で既に読了してしまったのですが、その感想は6日日記で)。
【2日目】
というわけで『霧越邸・・・』読了。犯人の見当がついてからはどうしても飛ばし読みしてしまいました。活字を流して目で追ってるだけ状態。だって薀蓄興味なかったんだもんなあ~。綾辻さん、ゴメンナサイ。

つまりですね。この作品は犯人が誰で、そのトリックがどうだったか?というのもありますけど、「見立て」も大きなテーマなんですよね。クリスティなんかに多いやつです。童謡殺人、とも言われますよね。マザーグースの歌詞に見立てられた殺人とか。
で、それに昨日書いた、この「霧越邸」という独特の雰囲気をもった館の謎、さらにその住人の謎、などが絡みまして。加えて何度も書くけど登場人物の名前がまるで宝塚か一昔前の少女漫画並に凝っている。何しろ「芸名」なのだから。劇団員という設定ですのでね。それに本名も出てくるから倍。……それに、まだある、登場人物が繰り広げる「文学談義」「現代演劇談義」。……。
ハッキリ言って、ごちゃごちゃし過ぎだあ、と思ってしまう。それで妖しげな雰囲気を作るとか、犯人が分からなくなる、という効果があるならまだしも、なんだか真昼間の怪談という感じで全然ノれないから醒めるのだ。なんでかな?肌が合わないのかなあ。いちおう、綾辻さんの「館」シリーズは全部読んでるんですけど、久々だったからかなあ?――まあ、一番の原因は犯人が分かり易すぎってのもあると思うんです。昨日書いた「分かってしまう部分」以前で、ある程度ミステリ読んでる人だったら予想出来てしまうんじゃないかなあ。「こういう設定で、こういう状況で、殺人が起きた、と。……そしたら可能性としてはコイツってパターンが多いんだよなあ。」という……。驕りに聞こえるかもしれなくって恐縮ですけど(^^;。でもはっきりいって意外性が無いと言えなくはないという……。

えー、好き勝手書いてしまいましたが。要は小説ですので、好みの問題、ってのが大きいんです。ワタシ、何作も読んでいつも思うけど、綾辻さんとはミステリの「萌える箇所」がズレてるんだと思います(^^;。 つまり、ミステリ好きにも「カー好き」とか「ドイル好き」とかイロイロ、あるってヤツですね。ハイ。……「それじゃあ、なんで読むんだ?」ってそれは単純にやっぱり「読みたい」と思うからで。フクザツなミーハー心ってやつでしょうか?(って訳わからん(^^;)。