2002/04/04

春になったら莓を摘みに

春になったら莓を摘みに
梨木 香歩
新潮社
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■梨木香歩
あまりにも美しい装丁でため息がでる梨木香歩さんのエッセイ集を読む。著者は英国に留学していた人なんですけど、その英国での人々とのふれあいや、日々考えたことなどを綴ってある。平淡で、もしかしたら退屈かもな、と思って読み始めたのだが、意外や意外。おもしろいんである。最高である。冒頭の、リスの描写のあまりの愛くるしさには何度も読み返してしまったほどだ。読みながら、このひとの作品の雰囲気を思い出し、「ああ、やっぱ梨木さんの世界って好きだなあ~、心地よいなあ~」とかみしめました。至福。
内容的には、単なる思い出話や英国論にはならず、「一個人」をしっかり捉えたり、人種についての考え、戦争についての思い、その他いろんな事にたいして周りに左右されず、確固たる認識を抱く著者の姿勢がうかがわれる。うむ。しかも著者持ち前の気質のせいで、説教くさくなったり、堅苦しくなったりしないので、うんうんうん、と読んでいけるのだ。最後の章では、アメリカでの同時多発テロやその後の報復攻撃がらみのコメントもある。なかなかに、読み応えのある内容なのだ。(2002.4.3)

●後日再読の記。
やっぱリスの描写かわいすぎる巧すぎる、引用したいくらいだけど長くなるのでそれは著作権に引っかかるのでだめなのだった。ああ。それにしてもこれは民族間の軋轢のこととかにかなり深く個人的意見を述べてあって、すごいなあ、と思う。っていうか「アタシってレベル低すぎ!?」もっと知っとかんといかんのかなー。あとがきで出てくる出来事っていうのはマンハッタンのあのテロのことで、あれが契機になった戦争がいまだに続いていて(終結宣言したって続いてるものは続いてるのだ)、自衛隊はあれよあれよという間に向こうに行ってしまった。世の中は変則事項でいっぱいだとは知ってるけど、それにしてもこれでいいの?いいわけねーだろ。という感じの日々だ。あー。(2004.1.19)